すこぶるお久しぶりです。そして大変長らくお待たせいたしました。
こんなに長い間固まっちゃっていて申し訳ありませんでした。でも、こういうコーナーの存在も忘れないでね。
あまりにしばらく振りで、過去の「至福の3時間」から普通につなげて始めるのは少々無理があるかもしれませんが、
気にせず本来のコーナーの姿、映画紹介へと入ります。


  ひかりのまち-WONDERLAND

 原題となっている「WONDERLAND」とはまさにLONDONの街中のことです。
けれども、見終わった後に自分の今いる世界も
しっかりとしたWONDERLANDなのだ!と思えます。

全編にわたって生き生きとした印象を受けるのは、舞台がLONDONという理由だけではなく、
スタイリッシュな映像にその秘密があると思います。
手持ちの16mmカメラで(けれど全く見にくくはありません!)オール・ロンドン・ロケ、
夕方から夜にかけてのシーンが多いので、光の持つ力が最大に引き出されていて、
とにかく美しい映像が次から次に浮かび上がります。
監督のマイケル・ウィンターボトムは私の敬愛する監督の中の1人ですが、今現在で彼の最新作です。

これまでの彼の作品は
「バタフライ・キス」、「ウェルカム・トゥ・サラエボ」、「アイ・ウォント・ユー」、「日陰の二人」、「GO NOW」
と、数多くはありません。
 しかし、それぞれを同じ監督とは思えないような
異なったタイプのテーマで見せてくれるのが魅力です。

選曲の素晴らしさも共通しています。
「WONDERLAND」ではマイケル・ナイマンの音楽が映像にこのうえなく合っていて、ほとんど完璧でした・・・。

ストーリーはLONDONに暮らす3人姉妹を軸にその親、
それぞれの家族、恋人、仕事、気にかかっていること・・・を淡々と追っていくもの。
特別な人が出てくるわけでもない、特別に何かが起こるわけでもない、
悪く言えば起伏の少ない映画。
でも、一度映画の中に入り込むと全ての人にいつも何かが起こっている!と気付きます。

「普通」という言葉は多くが特長のない、つまらないものというような意味を含んでいることが多いけれど、
ここで使われる「普通」とは簡単なものではなくて、
とても大事な、持ちつづけることが困難な・・・そのように言えるものです。
最高に「普通」の人々、毎日の生活、が素晴らしいものなのだ!って痛いほど伝わる映画でした。


余談ですが、この映像に、音楽に、内容にやられて、普段めったに泣かない私が
    映画館で涙してしまいました。やられたぜ、ウィンターボトム!

 

 ひかりのまち-WONDERLAND   1999 イギリス映画
監督 マイケル・ウィンターボトム 
                 出演 ジナ・マッキー、シャーリー・ヘンダースン、モリー・パーカー、他
     音楽 マイケル・ナイマン  109MINS.

                                                                                                                                                                     ミドル

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